ひとつだけ

あんたにはわからないよ一生な

ゆめのはなし

わたしは男と向かい合って、通路の真ん中に据え置かれた白いテーブルで蟹を食べていた。

おもむろにわたしが尋ねる。

「そういえば 〇〇くんってどうしてるの?」

男はこたえる。

「〇〇?知らねーよ 何してんだろうね」

たばこの煙を出しながら、その回答にはずいぶん嘲りのニュアンスが滲んでいた。

 

気がつくと後ろの駄菓子屋のような店の前にあるガチャガチャの機会が並ぶ横に何人かの人が集まってたばこを吸っていて、その中心には〇〇くんがいた。

「〇〇くんじゃん」

わたしが声をかけると、〇〇くんは高校の頃から変わらない、本心が全くみえないが他人のことを100パーセントバカにしていることは伝わってくる表情で答えた。

「あー!ヘニーデさんじゃん うわめっちゃ久しぶりだな」

わたしはあいまいな笑顔のまま何も答えなかった。

少しの沈黙があって、わたしは訊いた。

「いまなにやってるの?」

その声は〇〇くんに届かない。周りの何人かの人の笑い声にさえぎられて届かなかったのか、彼が答えなかっただけなのかはわからない。

すると、わたしの向かいで蟹を食べていた男が席を立ち、親しげに〇〇くんのところへ向かっていった。

「久しぶりじゃん〇〇、いまなにやってんのー」

〇〇くんと話す男。

〇〇くんがまるでわたしなどいないかのように彼に訊く。

「1人でいたの?」

彼はこともなげにこたえる。

「うん、ひとりひとり!あ、2人か」

そう言って私の方を見る。

 

 

あぁ、こういうのってある。

 

 

 

という夢を見たんだ。